フォークリフト学科・実技試験の合格基準と練習問題|頻出の数字・手順・減点表

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講習所の教室で解答用紙に向かう受講者たち

学科試験と実技試験の両方に合格しないと、修了証はもらえません。この記事では、学科試験の形式と合格基準、覚えておく数字と4択練習問題、実技試験の手順と減点表、落ちたときの流れをまとめます。

練習問題をすぐ30問まとめて解きたい人は、学科試験の練習問題30問へどうぞ。200問と模擬試験2回分にまとめた編集部の問題集は、フォークリフト学科試験の問題集で紹介しています。

修了試験は「学科」と「実技」の2つ

講習規程第4条で、次のことが決まっています。

  • 技能講習では、修了試験を行う
  • 修了試験は、学科試験と実技試験の2つ
  • 学科試験は、学科講習の科目について、筆記試験か口述試験で行う
  • 実技試験は、実技講習の科目について行う

これ以外の細かいことは、厚生労働省労働基準局長が定めることになっています(同条第5項)。

何日目に試験があるか

普通免許がある人の31時間コース(4日)の例です。

講習所 学科試験 実技試験
東西フォークリフト教習センター 1日目の最後(17:40〜18:40) 4日目の最後(17:10〜18:10)
静岡県労働基準協会連合会 学科の日(45分) 実技の最終日の午後「実技テスト」
滋賀労働基準協会 学科の日(45分) 実技の最終日
土浦労働基準協会 1日目(修了試験1時間) 実技の最終日

学科は1日目にまとめて受け、そのあと3日間の実技に進む流れが多くなっています。

学科試験はどんな感じ?形式・時間・テキスト

講習所ごとの形式

講習規程が決めているのは「筆記試験か口述試験」までで、問題数・選択肢の数・試験時間は講習所が決めます。公式に案内している例です。

講習所 問題の形式 試験時間 答え方 合否が分かるとき
岡山県トラック協会 荷役・力学・法令が各10問の3択(荷役は1問3点、力学・法令は1問2点) 記載なし 記載なし 翌週中に修了証か再受講の通知を郵送
JCフォークリフト教習センター 選択式 30分程度 記載なし 試験の日。合格なら翌日から実技
滋賀労働基準協会 記載なし 45分 マークシート(HBかBの鉛筆、ボールペン不可) 記載なし
静岡県労働基準協会連合会 記載なし 45分 マークシート 修了証は後日交付
東西フォークリフト教習センター 筆記試験 60分(時間割) 記載なし すべて合格ならその日に修了証
陸災防 東京都支部 記載なし 1時間 記載なし 記載なし

問題数の目安と対策のコツ(過去問は非公開)

多くの講習所では、4択(四肢択一)のマークシート方式で、30〜40問前後(普通免許ありの3科目なら30問前後、免除なしの4科目なら40問前後)が出題されます(岡山県トラック協会のように3択・計30問の講習所もあります)。

なお、実際の試験問題は試験終了後に回収され、全国登録教習機関協会(全登協)が作成している試験問題データも講習所専用で一般には市販されていません。そのため、本番で確実に合格するコツは次の2つです。

  • 学科講習中に講師が「ここは大事」「線を引いて」と強調した箇所を必ずメモ・マーカーする(試験問題の多くは講師が強調した箇所からそのまま出ます)
  • 定番の数字と計算問題の4択に慣れておく(ひっかけ選択肢のパターンはどの講習所でも共通しています)

テキストを見ながら受けられる?

学科試験中にテキストやノートを見ることはできません(滋賀労働基準協会なども「試験時にテキストは参照できません」と明記しています)。ただし、昼休みや試験直前の休憩時間に見返すことはできるため、講義中に講師が強調した箇所にマーカーを引いておき、試験前にサッと復習できるようにしておくと安心です。

学科試験の持ち物

マークシート方式の講習所ではボールペンやシャープペンシルが不可となる場合があるため、鉛筆(HBまたはB)2〜3本とプラスチック消しゴムを用意しておきます。なお、力学の計算問題でも電卓は使用不可(手計算で解ける簡単な四則演算のみ)です。

学科の科目と時間

学科講習の科目と時間は、講習規程第2条で決まっています。

科目 主な範囲 時間
走行に関する装置の構造と取扱い エンジンなどの原動機、動力を伝える装置、かじ取り装置、ブレーキ、方向指示器、警報装置など 4時間
荷役に関する装置の構造と取扱い フォークやマストなどの荷役装置、油圧装置(安全弁を含む)、ヘッドガード、バックレストなど 4時間
運転に必要な力学 力の合成・分解・つり合い・モーメント、重さ、重心と安定、速度と加速度、荷重、材料の強さなど 2時間
関係法令 労働安全衛生法、施行令、労働安全衛生規則のフォークリフトに関係する条文 1時間

普通自動車免許などを持っている人は、「走行に関する装置」の4時間が免除されます(講習規程第3条)。31時間の講習では、学科は残りの3科目・7時間で、試験もこの3科目です。

自分が何時間の講習になるかは、フォークリフト免許の取り方で確かめられます。

学科・実技試験の合格基準(何点で合格?)

試験 基準 出典
学科 配点は走行30・荷役30・力学20・法令20。各科目の正答率40%以上、かつ100点満点で60点以上 東京技能講習協会
学科 各科目4割以上、かつ合計6割 岡山県トラック協会
学科 各科目の点数の合計の60%未満は不合格 JCフォークリフト教習センター
実技 100点から減点し、70点以上で合格 神奈川労務安全衛生協会 小田原支部、岡山県トラック協会(走行50点・荷役50点)

科目ごとの最低点(40%)がある講習所では、合計点が足りていても、1つの科目だけ低いと不合格になります。力学の計算が苦手でも、捨てずにひととおり解けるようにしておくのが安全です。

学科試験の対策

先に重要な「数字」を押さえる

学科試験は「数字」が問われる問題から押さえると、効率よく得点につながります。厚生労働省のフォークリフト技能講習補助テキスト(PDF、以下「教材」)と、フォークリフト構造規格に出ている主な数字です。

数字 内容 出典
1トン 最大荷重1トン以上は技能講習、未満は特別教育 施行令第20条第11号
3m 最大荷重1トン以上のフォークリフトの最大揚高の標準 教材 4ページ
30cm 基準負荷状態はフォークの上面を床から30cm。荷を30cm以上上げたまま走らない 教材 10・46ページ、構造規格
4%・18% 前後の安定度(フォークを最高にしたとき4%、走行時18%。最大荷重5トン以上は4%が3.5%) 構造規格第1条
6%・15+1.1V% 左右の安定度(フォーク最高でマスト最大後傾のとき6%、走行時は15+1.1V%。Vは最高速度km/h) 構造規格第1条
5m・2.5m ブレーキ:荷なしで時速20kmから5m以内、荷ありで時速10kmから2.5m以内に止まる 構造規格第4条
20%・15% 駐車ブレーキで止めておける勾配(荷なし20%、荷あり15%) 構造規格第4条
3以上・5以上 安全係数:フォークは3以上(降伏強さの3分の1以下)、リフトチェーンは5以上 教材 33ページ、構造規格第8・9条
16cm・95cm・1.8m ヘッドガード:上の枠のすき間16cm未満、座る型は座面から95cm以上、立つ型は床から1.8m以上 安衛則第151条の17、教材 49ページ
2倍(4トンまで) ヘッドガードの強さは最大荷重の2倍(4トンを超えるときは4トン)の等分布静荷重に耐える 安衛則第151条の17
5〜10cm/15〜20cm 発進前にフォークを5〜10cm上げ、マストを後ろに倒す。走るときは床から15〜20cm 教材 21・44ページ
10〜20cm 積み取り・取りおろしで、いったん10〜20cm引き出して差し直す 教材 44・45ページ
2分の1〜4分の3 フォークの間隔はパレットの幅の2分の1〜4分の3 教材 43ページ
1.20 バッテリーの電解液の比重が1.20まで下がったら充電 教材 15ページ
1年・1か月・3年 定期自主検査は1年以内ごとと1か月以内ごと、記録は3年保存 安衛則第151条の21〜23
18歳 18歳未満はフォークリフトの運転業務が禁止 教材 51ページ

物の重さの計算で使う「1立方メートルあたりの重さ」も教材に表があります(例:鋼7.8トン、コンクリート2.3トン、水1.0トン、杉・ひのき0.4トン。教材 68ページ)。

学科試験で出やすい4科目の要点とひっかけ対策

科目ごとに試験で狙われやすいポイントです。試験問題は講習所ごとに作られるため、当日は講習で配られる教本と講師の説明もあわせて押さえてください。

走行に関する装置

  • フォークリフトは、ふつう後ろの車輪でかじを取ります。そのため、曲がるときは車体の後ろが外側に大きく振り出します。
  • 前の車輪が駆動輪で、荷の重さの多くを受けます。
  • 方向指示器や警報装置(ホーン)、前照灯・後照灯も「走行に関する装置」に入ります。

荷役に関する装置

  • マスト:フォークを上げ下げするためのレール。前後に傾けられます(前傾・後傾)。
  • リフトシリンダ・ティルトシリンダ:油圧で、フォークを上げ下げしたり、マストを傾けたりする装置。
  • 安全弁(リリーフバルブ):油圧が上がりすぎないように逃がす弁。
  • ヘッドガード:運転者の頭の上を守る枠。荷が落ちてきたときのためのものです。
  • バックレスト:荷がマストの後ろ(運転者のほう)へ落ちないようにする枠。

運転に必要な力学

ここは計算が出やすい科目です。次の考え方を押さえてください。

力学の図解学科試験「運転に必要な力学」で必ず出る3つの図解ポイント①前輪支点のモーメント計算・②荷重中心と根元差し・③速度の2乗に比例する遠心力
① 前後の安定(前輪の中心=支点のシーソー)
荷 800kg車体 2,000kg▲ 支点(前輪の中心)距離 0.9m距離 0.5m
荷のモーメント800kg × 0.9m = 720 kg・m
車体のモーメント2,000kg × 0.5m = 1,000 kg・m
車体(1,000)> 荷(720)だから前には倒れない(安定)!
② 爪の根元差し と ③ 遠心力(速度の2乗)
○ 正しい(根元まで差す)

荷重中心(基準500mm)が支点に近いため、最大荷重いっぱいまで安全に持てる

× 危険(爪先で浅く差す)

前輪からの距離が長くなりモーメントが増大!許容荷重が大幅に減り前倒れ・失格の原因に

旋回時の遠心力は「速度の2乗」に比例する!
基準の速度(×1)
1倍
速度 2倍で旋回
2² = 4倍!(頻出)
速度 3倍で旋回
3² = 9倍!(横転危険)
前輪支点のモーメントのつり合い・基準荷重中心500mm・速度の2乗に比例する遠心力
  • モーメント=力(重さ)×支点からの距離。フォークリフトでは、前輪の中心が支点になります。
  • 前後の安定:荷のモーメント(荷の重さ×前輪から荷の重心までの距離)が、車体のモーメント(車体の重さ×前輪から車体の重心までの距離)より大きくなると、後輪が浮いて前に倒れます。
  • 荷重中心:フォークの垂直な面(荷の当たる面)から、荷の重心までの距離です。
  • 許容荷重:荷の重心の位置に応じて、積んでよい最大の重さ。荷重中心が遠くなるほど、許容荷重は小さくなります。
  • 重心が高いと不安定:荷を高く上げたまま走ったり曲がったりすると、横に倒れやすくなります。
  • 遠心力:曲がるときの遠心力は、速度の2乗に比例します。速度が2倍になると、遠心力は4倍です。
  • 重さの計算:重さ=体積×1立方メートルあたりの重さ(比重を使うこともあります)。

関係法令

労働安全衛生法と労働安全衛生規則の、フォークリフトの条文から出ます。数字が入っているところは特に出やすいので、表にまとめました。

内容 決まり 条文
技能講習が必要な機械 最大荷重1トン以上のフォークリフトの運転(道路上の走行を除く) 施行令第20条第11号
1年ごとの定期自主検査 1年を超えない期間ごとに1回。これが「特定自主検査」で、資格のある人か検査業者が行う 安衛則第151条の21、第151条の24
1か月ごとの定期自主検査 1か月を超えない期間ごとに1回(ブレーキ、荷役装置、油圧装置など) 安衛則第151条の22
自主検査の記録 記録を3年間保存する 安衛則第151条の23
作業開始前の点検 その日の作業を始める前に、ブレーキ・操縦装置、荷役装置・油圧装置、車輪、ライト・方向指示器・警報装置を点検する 安衛則第151条の25
制限速度 最高速度が時速10キロを超える機械は、あらかじめ制限速度を決めて守る 安衛則第151条の5
運転位置から離れるとき フォークを一番下まで下ろし、エンジンを止めてブレーキを確実にかける 安衛則第151条の11
乗せてはいけない 乗車席以外に人を乗せない 安衛則第151条の13
本来の使い方以外の禁止 荷のつり上げや人の上げ下ろしに使わない 安衛則第151条の14
ヘッドガードの強さ 最大荷重の2倍(4トンを超えるときは4トン)の等分布静荷重に耐える 安衛則第151条の17
許容荷重を超えない 許容荷重その他の能力を超えて使わない 安衛則第151条の20

出典:労働安全衛生法施行令、労働安全衛生規則(e-Gov法令検索、2026年10月確認)

「1年」と「1か月」の定期自主検査、「3年」の記録の保存は、取り違えやすいところです。

学科試験でよくある「ひっかけ問題」の3大パターン

4択問題で迷ったときは、次の定番のひっかけパターンに当てはまっていないかをチェックすると正答率がグッと上がります。

  1. 数字や期間の入れ替え
    • 例:「特定自主検査は6か月以内ごとに1回」「検査記録は1年間保存する」→ 正しくは1年以内ごとに1回・3年間保存
    • 例:「フォークの安全係数は5以上、チェーンは3以上」→ 数字が逆(正しくはフォーク3以上・チェーン5以上)
  2. 主語・名称のすり替え
    • 例:「荷がマストの後ろへ落ちるのを防ぐ枠をヘッドガードという」→ 正しくはバックレスト(ヘッドガードは頭上の落下物から運転者を守る屋根枠)
    • 例:「前の車輪でかじを取るので、旋回時は前方が大きく振れる」→ 正しくは後ろの車輪(後輪操舵)
  3. 「かならず」「どんな場合でも」「〜しなくてよい」の極端な言い切り
    • 例:「短い時間ならエンジンをかけたまま運転席を離れてもよい」「車体の重さが荷より重ければ、重心位置に関係なく絶対に前には倒れない」→ 法令や力学の選択肢で例外を認めない強い言い切りや、安全手順を省略してよいとする選択肢はほぼ誤り(×)です。

科目別の4択練習問題(その場で正誤チェック)

学科試験の4科目(走行・荷役・力学・法令)から、よく出るポイントを4択にしました。選択肢を押すとその場で正誤と解説が開きます(編集部作成のオリジナル問題です)。

法令・告示や厚生労働省の資料などをもとに作った練習問題は、学科試験の練習問題(30問)にまとめています。選択肢を押すと、その場で答えと解説が見られます。

実技試験の内容と採点

実技試験の内容

実技講習の科目は、講習規程第2条で決まっています。

  • 走行の操作(20時間):基本操作、定められたコースによる基本走行と応用走行
  • 荷役の操作(4時間):基本操作、フォークの抜き差し、荷の配列と積み重ね

実技は10人以内のグループで行います(講習規程第2条)。1人ずつ順番に乗るので、1日中乗っていられるわけではありません(東西フォークリフト教習センター)。待ち時間も講習の時間で、休んでいたりスマートフォンを長く見続けたりすると、時間不足で修了証を出せないと案内している講習所もあります(岡山県トラック協会)。

実技試験は、この科目について行います。最終日の講習のあとに、1人ずつ受けるのが一般的です。

実技試験の手順

神奈川労務安全衛生協会 小田原支部のコースは、「A地点から出発し、B地点で荷をフォークに積み、C地点で荷を下ろして、D地点に戻る」形です。乗車から降車までの基本の流れは次のとおりです(教材 18〜46ページ)。

実技コース図実技試験の走行ルート(A→B→C→D)と減点ゼロの操作ポイント100点からの減点方式(70点以上で合格・制限時間7分前後)
① コース俯瞰マップ(A出発 → B積込 → C荷下ろし → D到着)
A 出発D 到着B 積み取り(荷台・2段差し)C 取りおろし(枠内へ降ろす)①前進(爪15〜20cm)②後退確認→C地点へ⚠️ クランク:後輪の外振りと脱輪(-5点)注意
② 地点ごとの絶対守るべき操作ルール
A 出発
手すりを持って乗車 → 即シートベルト!
ベルト忘れは一発失格。爪を床から5〜10cm上げ、マストを後ろへ倒し、指差し呼称で発進
B 積み取り
手前で一時停止 → 駐車ブレーキ・中立 → 2段差し
まず10〜20cm引き出して一旦降ろし、根元まで差し直して持ち上げる(浅差しは失格)
走行・C 荷下ろし
走行中は必ず爪を床から15〜20cmに保つ!
荷を高く上げたまま動くのも一発失格。走行中は左手をハンドルノブから離さない
D 到着・降車
駐車ブレーキ → 中立 → 爪を床に接地 → エンジン停止
後方を確認し、ハンドルではなくアシストグリップ(手すり)を持って降りる
  1. 乗る前の点検:指差しで車の周りと各部を確かめる
  2. 乗る:アシストグリップ(手すり)を持ってステップから乗る。ハンドルをつかんで乗らない。座ったらすぐシートベルト
  3. 発進の準備:フォークを地面から5〜10cm上げ、マストを後ろへいっぱいに倒す(教材 21ページ)
  4. 発進:左右・後ろを指差しで確かめ、前後進レバーを入れ、駐車ブレーキを外して発進。走るときは左手でハンドルのノブを握る
  5. 荷の前で止まる:荷の手前でいったん止まり、駐車ブレーキをかけてレバーを中立にする
  6. 積み取り:マストを垂直、フォークを水平にしてパレットの高さに合わせ、まっすぐ差し込む → 5〜10cm上げて10〜20cm引き出し、いったん降ろす → 根元まで差し直して上げる(教材 44ページ)
  7. 運ぶ:フォークを床から15〜20cmに下げ、マストを後ろに倒して、後ろを確かめて後進・前進
  8. 取りおろし:手前で止まり、置く位置より少し高く上げて前進 → 静かに降ろす → 10〜20cm引き抜き、上げ直して正しい位置に置き直す(教材 45ページ)
  9. 戻る・止める:出発地点に戻り、駐車ブレーキ・レバー中立・フォークを地面に下ろす
  10. 降りる:周りを確かめ、手すりを持って降りる

細かい手順は講習所ごとに違います。講習で教わった順番どおりに行ってください。陸上貨物運送事業労働災害防止協会(陸災防)の県支部が開く運転競技大会の手順書も、「技能講習規程の実技試験に準じ」て作られていて、乗車から降車まで97の工程で手順が書かれています(例:熊本県支部の実施要綱。講習の試験ではなく、修了者向けの競技です)。

運転操作の手順は、フォークリフトの運転のしかたでくわしく説明しています。

実技試験の減点表

神奈川労務安全衛生協会 小田原支部が公開している「フォークリフト免許試験の採点基準」の全項目です。100点から引いていき、70点以上で合格です。

項目 減点 説明
指差し点検 -3点 乗る前の点検のし忘れ、点検する箇所の抜け
アシストグリップを使わずに乗る -3点 ハンドルを持って乗るのも×
シートベルトを着けない 失格 座席に座ったらすぐに着ける
レバー操作のミス -3点 前後を入れ間違えるなど
ハンドルのグリップから手を離す -3点 走るときは左手を必ずグリップに
安全確認の不足 -3点 指差しが足りない、確認を忘れる
接触 -5点 壁にぶつかる
脱輪 -5点 通路を仕切る白線を踏む
偏荷重 -3点 荷を傾けて持つ
走るときのフォークの高さ -3点 地面から10〜20cmでない
パレットへの差し込み不足 失格 50cm以上など極端に足りないとき
荷の位置が悪い -3点 荷台の枠線からはみ出す
止まる位置が悪い -3点 決められた位置からはみ出す
フォークの先で荷をつく 失格 危険な行為
パレットにフォークをこする -3点 パレットを引きずると失格
荷を高く上げたまま移動する 失格 危険な行為
パレットを持ち上げる高さが悪い -3点 荷台からパレットを浮かすのは10cm前後
荷を勢いよく置く -3点 大きな音が出る
荷台にぶつかる -3点 とくにマストをぶつけやすい
駐車ブレーキをかけずにレバー操作 -3点 レバー操作は必ず駐車ブレーキをかけてから
エンスト -5点 操作ミスでエンジンが止まる
手順の間違い -3点 決められた手順を間違える・飛ばす
時間 -3点 7分を超えると、30秒ごとに3点ずつ
駐車位置が悪い -2点 決められた線から30cm以上離れて止める

出典:神奈川労務安全衛生協会 小田原支部「実技試験コース・試験採点の項目」(2026年10月25日確認)。表の右端と最後の行が切れていて読めない部分があります(駐車位置の失格の条件など)。採点の項目と点数は講習所ごとに違います。

【重要】一発アウト(失格)になる項目

上の表で失格になるのは、どれも現場で重大事故につながる危険な操作です。1回でも該当すると、持ち点が残っていてもその場で不合格になります。

  • シートベルトを着けない(着座したらエンジンをかける前にすぐ装着する)
  • パレットへのフォークの差し込みが極端に足りない(50cm以上浅いまま持ち上げるなど)
  • フォークの先で荷をつく(パレットの差込口以外に爪先を当てる)
  • 荷を高く上げたまま移動する(走行中は床から15〜20cmに保つ)
  • パレットを引きずる(フォークが完全に抜けていないまま後退・旋回する)

それ以外の細かいミス(指差し確認の抜け、駐車ブレーキ前のレバー操作など)は1回3点前後の減点ですが、10回重なれば70点を割るため注意が必要です。

実技試験のコツ

減点表と教材の手順から、編集部がまとめたコツです。

  • 確認は「見える動作」で:指差しと首の動きで、試験官に確認したことが分かるようにする。安全確認の不足は1回3点
  • レバーを触る前に駐車ブレーキ:止まって駐車ブレーキ、レバー中立、それからフォークを操作する。走りながらレバーを触らない
  • 左手はハンドルのノブから離さない:走るときの基本の姿勢(教材 21ページ)
  • フォークの高さを毎回そろえる:走るときは床から15〜20cm(採点表は10〜20cm)。荷を上げたまま動くのは失格
  • 差し込みは根元まで、2回に分けて:一度引き出して差し直す手順を省かない
  • 急がない:小田原支部の制限時間は7分。ゆっくりでも手順どおりのほうが、減点は少なくなります
  • 手順を短い言葉で声に出す:「止まる・ブレーキ・中立・水平・差す」のように、操作の順番をリズムよく声に出して練習すると本番でも抜けにくくなります

修了したあとに練習したい人向けのコースは、フォークリフトの運転のしかたで紹介しています。

合格率と落ちたときの対応

合格率と難しさ

フォークリフト運転技能講習の合格率は、おおむね95%〜98%以上(講習所によっては99%近く)と言われています。

厚生労働省が公表している全国統計は「修了者数」のみで(令和6年度は208,292人、令和5年度は210,412人。厚生労働省「技能講習修了者数等」)、公的な合格率の集計はありませんが、多くの登録教習機関や業界案内で95%以上と案内されています。

ここまで合格率が高い理由は、技能講習が「受験者をふるい落とすための選抜試験」ではなく、「安全に作業できる知識と技能を身につけてもらう教育」だからです。厚生労働省も公的資料の中で「講習修了率は高いが、これは、講習において一定水準に到達するまで指導した結果」と説明しています(資格制度の見直しの中間公表)。遅刻せずすべての時間を受講し、学科で講師が強調したポイントを復習すれば、未経験からでもほぼ全員が合格できる試験です。

なお、実技で使う車種については「カウンター式よりリーチ式のほうが操作に慣れが必要で難しいという声が多い」と案内している講習所もあります(東西フォークリフト教習センター)。

試験でつまずきやすい注意点

  • 学科で1つの科目を捨てる:科目ごとの最低点(40%)がある講習所では、合計点が足りていても不合格になる
  • 法令の数字をあいまいに覚える:「1年」「1か月」「3年」や、どの点検が特定自主検査かを取り違えやすい
  • 実技で失格項目をしてしまう:シートベルトの着け忘れ、荷を上げたままの移動
  • 確認の動作を省く:1つ3点でも、重なると70点を割る
  • 講習を休む・遅れる:決められた時間をすべて受けるのが前提。遅刻1分で途中から参加できない講習所もある(東西)

落ちたときは補講と再試験

講習所 学科 実技
JCフォークリフト教習センター 再試験は1回まで。それも不合格なら次回以降の学科講習を受け直し 翌日以降に1時間の補習と再試験(6,600円)
東西フォークリフト教習センター 補習・再試験 1回10,000円 同じ
岡山県トラック協会 受講料の半額で再受講 同じ
拝島フォークリフト教習所 補講(有料)を一度だけ受けられる 同じ

補講を受けても合格できなかったときの扱いと費用も、講習所ごとに違います。申し込む前に、受ける講習所に聞いておくと安心です。

講習所は、フォークリフト免許の取り方と費用から都道府県を選ぶと比べられます。

まとめ

  • 学科試験は学科講習の最後に30分〜1時間。4択・マークシートが多いが3択の講習所もある。テキストは見られない講習所がある
  • 合格の基準は、学科が各科目40%以上・合計60%以上、実技が70点以上とする講習所の例がある
  • 先に覚えるのは数字(安定度4%・18%、ブレーキ5m・2.5m、ヘッドガード95cm・1.8m、検査1年・1か月・記録3年など)と、モーメントの計算
  • 実技は、荷を積んで運び、下ろして戻る。1項目3点前後の減点で、シートベルトを着けない・荷を上げたまま動くなどは一発で失格
  • 合格率は一般的に95%〜98%以上(修了者は年21万人前後)。万が一落ちても補講と再試験がある

練習問題は学科試験の練習問題30問、講習の費用はフォークリフト免許の費用相場で確かめられます。

よくある質問

フォークリフトの学科試験は4択ですか?
多くの講習所が4択(四肢択一)のマークシート方式を採用しており、問題数は30〜40問前後(31時間コースの3科目なら30問前後)が一般的です。ただし、岡山県トラック協会のように各科目10問の3択で実施している講習所もあります。
学科試験はテキストを見ながら受けられますか?
いいえ、試験中にテキストを見ることはできません(「試験時にテキストは参照できません」と滋賀労働基準協会なども明記しています)。講習中に講師が強調した箇所やマーカーを引いた部分を中心に復習して臨みます。
合格の基準は何点ですか?
講習所の公式案内では、学科は各科目40%以上かつ合計60%以上(東京技能講習協会・岡山県トラック協会)、実技は100点からの減点で70点以上(神奈川労務安全衛生協会 小田原支部・岡山県トラック協会)を合格としている例があります。
フォークリフト技能講習の合格率はどれくらいですか?
一般的に95%〜98%以上(ほぼ全員が修了できる水準)と言われています。厚生労働省による全国一律の合格率統計はありませんが(令和6年度の修了者数は208,292人)、技能講習は受験者をふるい落とす試験ではなく、安全に作業できる水準に達するまで指導して修了させる仕組みのため、真面目に受講すれば高い確率で合格できます。
実技試験で一発アウト(失格)になるのは?
神奈川労務安全衛生協会 小田原支部の採点基準では、シートベルトを着けない、パレットへのフォークの差し込みが極端に足りない(50cm以上など)、フォークの先で荷をつく、荷を高く上げたまま移動する、パレットを引きずる、などが失格です。採点の項目は講習所ごとに違います。
試験に落ちたらどうなりますか?
多くの講習所に補講と再試験があります。例えば、JCフォークリフト教習センターは学科の再試験が1回まで、実技は後日1時間の補習と再試験(6,600円)、東西フォークリフト教習センターは1回10,000円、岡山県トラック協会は受講料の半額で再受講です。