フォークリフト学科試験の練習問題30問(解説・根拠つき)

フォークリフト運転技能講習の学科試験は、「走行に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識」「荷役に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識」「運転に必要な力学に関する知識」「関係法令」の4科目です(フォークリフト運転技能講習規程 昭和47年労働省告示第111号)。合格の基準は告示に書かれていないので、受ける講習機関で確かめてください。

このページの問題は、法令・告示や厚生労働省の資料などをもとに作った練習問題で、実際の試験問題ではありません。根拠は2026年10月7日に確かめています。

学科試験の科目と時間は?

学科講習は4科目・合計11時間です。普通自動車免許などを持っている人は「走行に関する装置」の4時間が免除され、残りの3科目を受けます(規程第3条)。

科目(告示の名前)時間このページの問題
走行に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識4時間9問
荷役に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識4時間9問
運転に必要な力学に関する知識2時間6問
関係法令1時間6問

試験の形式や、講習所が案内している合格の基準の例はフォークリフトの学科試験と実技試験にまとめています。

各問題の「答えと解説」を開くと、正解と解説、根拠(条文や資料)が見られます。

走行に関する装置の問題(9問)

  1. 問1厚生労働省(労働基準監督署)の資料が説明しているフォークリフトの駆動と操舵(かじ取り)の方式として、正しいものはどれか。

    1. 前輪で駆動し、前輪でかじを取る
    2. 後輪で駆動し、前輪でかじを取る
    3. 後輪で駆動し、後輪でかじを取る
    4. 前輪で駆動し、後輪でかじを取る
    答えと解説

    正解:4 前輪で駆動し、後輪でかじを取る

    厚生労働省の労働基準監督署のリーフレットは、フォークリフトを、荷を載せるフォークとそれを上下させるマストを備えた「前輪駆動、後輪操舵方式」の荷役機械と説明しています。駆動は前輪、かじ取りは後輪で行う方式です。

    根拠:佐賀労働基準監督署リーフレット「フォークリフトによる災害を防止しましょう!」 本文1段落目

  2. 問2荷を積んだフォークリフトの運転者の視界について、厚生労働省(労働基準監督署)の資料の説明として、正しいものはどれか。

    1. 荷を積んで前進するときは、運転席が高いので前方がよく見える
    2. 後進するときは、後写鏡があるので振り返る必要はない
    3. 荷の大きさにかかわらず、前進のほうが後進より常に見通しがよい
    4. 荷を積んで前進するときは前方が見えにくく、後進するときも振り返って操作するので視界が狭くなる
    答えと解説

    正解:4 荷を積んで前進するときは前方が見えにくく、後進するときも振り返って操作するので視界が狭くなる

    佐賀労働基準監督署のリーフレットは、荷を載せた状態の前進では前方が見えにくく、後進でも振り返った状態で操作するため視界が狭くなると説明しています。運転席が高いから見やすい、後写鏡があるから振り返らなくてよい、という説明はありません。

    根拠:佐賀労働基準監督署リーフレット「フォークリフトによる災害を防止しましょう!」 本文1段落目

  3. 問3フォークリフトの旋回について、厚生労働省(労働基準監督署)の資料の説明として、正しいものはどれか。

    1. 旋回半径が大きいため、狭い通路では曲がることができない
    2. 旋回半径が小さいため、速度を出したまま急旋回しても安定している
    3. ハンドルを切る速さは、車体の安定に関係しない
    4. 旋回半径が小さいため、急にハンドルを切ると安定を失いやすい
    答えと解説

    正解:4 旋回半径が小さいため、急にハンドルを切ると安定を失いやすい

    佐賀労働基準監督署のリーフレットは、フォークリフトは旋回半径が小さいため急にハンドルを切ると安定性を欠くなどの特性があると説明しています。小回りがきく反面、急旋回は転倒などの危険につながります。

    根拠:佐賀労働基準監督署リーフレット「フォークリフトによる災害を防止しましょう!」 本文1段落目

  4. 問4フォークリフト構造規格で、走行時の基準無負荷状態のフォークリフト(最高速度が毎時20km以上のもの)の走行ブレーキに求められる性能として、正しいものはどれか。

    1. 毎時20kmの速度から、2.5メートル以内で停止させることができる
    2. 毎時10kmの速度から、5メートル以内で停止させることができる
    3. 毎時20kmの速度から、10メートル以内で停止させることができる
    4. 毎時20kmの速度から、5メートル以内で停止させることができる
    答えと解説

    正解:4 毎時20kmの速度から、5メートル以内で停止させることができる

    構造規格第4条第2項の表は、走行時の基準無負荷状態では制動初速度毎時20km(最高速度がそれ未満のものはその最高速度)から停止距離5メートル以内で停止できることを求めています。2.5メートルは走行時の基準負荷状態(制動初速度毎時10km)での値です。

    根拠:フォークリフト構造規格(昭和47年労働省告示第89号) 第4条第2項

  5. 問5フォークリフト構造規格第5条で、同条ただし書の例外(備えなくてよい小型のもの)に当たらないフォークリフトが備えなければならない方向指示器の数として、正しいものはどれか。

    1. 前部に1個だけ
    2. 後部の中央に1個だけ
    3. 左右に2個ずつ
    4. 左右に1個ずつ
    答えと解説

    正解:4 左右に1個ずつ

    構造規格第5条本文は、フォークリフトは方向指示器を左右に1個ずつ備えるものでなければならないと定めています。例外は、最高速度が毎時20km未満で、ハンドルの中心から最外側まで65cm未満で、運転者席が車室内にないものに限られます(同条ただし書)。

    根拠:フォークリフト構造規格(昭和47年労働省告示第89号) 第5条

  6. 問6フォークリフトの作業開始前の点検で、機能を点検する灯火・装置の組合せとして、安衛則第151条の25に定められているものとして、正しいものはどれか。

    1. 前照灯と方向指示器だけ
    2. 後照灯と計器だけ
    3. 前照灯、後照灯、方向指示器及び警報装置
    4. 方向指示器、警報装置及び窓拭き器
    答えと解説

    正解:3 前照灯、後照灯、方向指示器及び警報装置

    安衛則第151条の25第4号は「前照灯、後照灯、方向指示器及び警報装置の機能」を作業開始前の点検事項としています。計器や窓拭き器は、この条文の点検事項には挙げられていません。

    根拠:労働安全衛生規則 第151条の25第4号

  7. 問7フォークリフトの制限速度(安衛則第151条の5)について、あらかじめ制限速度を定めなくてもよいとされているフォークリフトとして、正しいものはどれか。

    1. 最高速度が毎時10km以下のもの
    2. 最高速度が毎時15km以下のもの
    3. 最高速度が毎時20km以下のもの
    4. 最大荷重が1トン未満のもの
    答えと解説

    正解:1 最高速度が毎時10km以下のもの

    安衛則第151条の5第1項は、車両系荷役運搬機械等(最高速度が毎時10キロメートル以下のものを除く)を用いて作業を行うときは、あらかじめ適正な制限速度を定めるよう事業者に求めています。除かれるのは最高速度毎時10km以下のもので、最大荷重による区別はありません。

    根拠:労働安全衛生規則 第151条の5

  8. 問8フォークリフト特定自主検査基準で、インチングペダルを最大限に踏み込んだまま前後進レバーを前進又は後進に入れ、エンジンの回転を上げたときの判定基準として、正しいものはどれか。

    1. 車体が普通の速さで動き出すこと
    2. 車体が動き出さないこと
    3. エンジンが自動的に止まること
    4. フォークが自動的に上がること
    答えと解説

    正解:2 車体が動き出さないこと

    特定自主検査基準の表「4⑹ トルクコンバーター」は、インチングペダルを最大限に踏み込んだ状態のまま、レバーを前進又は後進に入れてエンジンの回転を上げても、車体が動き出さないことを判定基準としています。インチングペダルを深く踏むと、エンジンを回していても車輪へ力が伝わらない状態になっていることを確かめる検査です。

    根拠:フォークリフト特定自主検査基準(令和7年厚生労働省告示第321号、令和8年1月1日適用) 表 4⑹⑥

  9. 問9フォークリフト特定自主検査基準で、灯火類(灯火装置、警報装置、方向指示器など)について調べることとされている事項として、正しいものはどれか。

    1. 灯火のレンズの色を、作業場所に合わせて塗り替えたかどうか
    2. スイッチを操作したときの作動と取付け状態、レンズの破損と水などの浸入
    3. 灯火を一晩つけたままにして、バッテリーが上がるかどうか
    4. 警報装置の音が、事務所の中まで聞こえるかどうか
    答えと解説

    正解:2 スイッチを操作したときの作動と取付け状態、レンズの破損と水などの浸入

    特定自主検査基準の表「10⑻ スイッチ類及び灯火類(灯火装置、警報装置、方向指示器、窓拭き器、デフロスターを含む。)」は、各スイッチ類を操作して作動の適否と取付け状態を調べること、各灯火類のレンズの破損と水等の浸入の有無を調べることを定めています。

    根拠:フォークリフト特定自主検査基準(令和7年厚生労働省告示第321号、令和8年1月1日適用) 表 10⑻

荷役に関する装置の問題(9問)

  1. 問10フォークリフトの荷役装置の「リフト」と「ティルト」の説明として、正しいものはどれか。

    1. リフトはマストを前後に傾けること、ティルトはフォークと荷を昇降させること
    2. リフトもティルトも、左右のフォークの間隔を変えることをいう
    3. リフトはフォークを左右に動かすこと、ティルトはマストを左右に傾けること
    4. リフトはフォークと荷を昇降させること、ティルトはマストを前後に傾けること
    答えと解説

    正解:4 リフトはフォークと荷を昇降させること、ティルトはマストを前後に傾けること

    リフトはフォークを上下させて荷を上げ下げする動き、ティルトはマストごとフォークを前や後ろへ傾ける動きをいう。フォークを左右へずらすのはサイドシフト、左右のフォークの間を広げたり狭めたりするのはフォークポジショナーで、どちらもアタッチメントの働きである。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(フォークリフト) 第4章 荷役に関する装置の構造及び機能 2 荷役装置

  2. 問11バックレストの役目として、正しいものはどれか。

    1. フォーク上の荷が、マスト側(運転者側)へ崩れ落ちるのを防ぐ。
    2. 車体後部の重さで、荷を積んだときの前後の安定を保つ。
    3. 上から落ちてくる荷から、運転者の頭上を守る。
    4. 荷を上から押さえ付けて、走行中の荷崩れを防ぐ。
    答えと解説

    正解:1 フォーク上の荷が、マスト側(運転者側)へ崩れ落ちるのを防ぐ。

    バックレストは、フォークに載せた荷が運転者のいるマスト側へ倒れ込まないよう、フォークの後ろ側に立てた枠である。運転者の頭上を守るのはヘッドガード、荷を上から押さえるのはロードスタビライザー、車体後部の重りで釣り合いを取るのはカウンタウェイトの役目である。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(フォークリフト) 第4章 荷役に関する装置の構造及び機能 2.1(バックレスト)、第1章 3.1/労働安全衛生規則 第151条の18

  3. 問12フォークリフトの油圧装置に備える安全弁の働きとして、正しいものはどれか。

    1. 作動油の流れる量を調整する。
    2. 油圧が過度に上がるのを防ぐ。
    3. 油圧を発生させる。
    4. 油の流れる向きを切り替える。
    答えと解説

    正解:2 油圧が過度に上がるのを防ぐ。

    フォークリフト構造規格第7条は、油圧装置に油圧の過度の昇圧を防止するための安全弁を備えることを定めている。安全弁は圧力制御弁の一つで、流れる量を調整するのは流量制御弁(絞り弁など)、向きを切り替えるのは方向制御弁(操作弁など)、油圧を発生させるのは油圧ポンプである。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(フォークリフト) 第4章 荷役に関する装置の構造及び機能 3 油圧装置/フォークリフト構造規格(昭和47年労働省告示第89号) 第7条

  4. 問13フォークリフトの「フリーリフト」の説明として、正しいものはどれか。

    1. フォークの垂直部の前面から、フォークの先端までの長さ
    2. マストを垂直の位置から前後に傾けることのできる最大の角度
    3. マストの高さを変えずに、フォークを上げることのできる最大の高さ
    4. フォークを最高位置まで上げたときの、地面からフォーク上面までの高さ
    答えと解説

    正解:3 マストの高さを変えずに、フォークを上げることのできる最大の高さ

    フリーリフトは、マストを垂直にした荷なしの状態で、マスト全体の高さが伸び始める前にフォークだけを上げられる最大の高さ(地面からフォーク上面まで)をいう。最高位置まで上げたときの高さは最大揚高、前後に傾けられる角度はマスト傾斜角、垂直部前面から先端までの寸法はフォークの長さである。メーカーの説明でも、フルフリーマストはマスト高さを変えずにフリーリフト量までフォークを上げられるとされている。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(フォークリフト) 第1章 5 用語の解説 表1-2/ロジスネクストジャパン「アタッチメント」 フルフリーマスト(二段フルフリーマスト)

  5. 問14許容荷重表(荷重曲線)について、正しいものはどれか。

    1. 荷重中心が基準荷重中心より前に出るほど、許容荷重は小さくなる。
    2. 荷重中心が基準荷重中心より前に出るほど、許容荷重は大きくなる。
    3. 許容荷重は、荷重中心ではなくフォークの長さだけで決まる。
    4. 許容荷重は荷重中心に関係なく、いつも最大荷重と同じである。
    答えと解説

    正解:1 荷重中心が基準荷重中心より前に出るほど、許容荷重は小さくなる。

    許容荷重表(荷重曲線)は、荷の重心がフォークの垂直前面からどれだけ離れているか(荷重中心)と、積める重さ(許容荷重)の関係を示したものである。荷の重心が基準荷重中心より先へ出るほど、前輪を支点に車体を前へ倒そうとするモーメントが増えるので、積める重さは小さくなる。許容荷重は荷の重心位置に応じて決まる(労働安全衛生規則第151条の20)。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(フォークリフト) 第1章 5 用語の解説 表1-5、図1-4・図1-5、第8章 1.5 力のつり合い/労働安全衛生規則 第151条の20

  6. 問15ヘッドガードの上部わくの各開口の幅又は長さについて、労働安全衛生規則の条文に記された上限の値として、正しいものはどれか。

    1. 30センチメートル未満
    2. 20センチメートル未満
    3. 16センチメートル未満
    4. 10センチメートル未満
    答えと解説

    正解:3 16センチメートル未満

    労働安全衛生規則第151条の17第2号は、ヘッドガードの上部わくの各開口の幅又は長さを「十六センチメートル未満」と定めている。条文の上限値は16センチメートルである。開口が大きいと、落ちてきた荷がすき間を通って運転者に当たるおそれがある。

    根拠:労働安全衛生規則 第151条の17第2号

  7. 問16ロール紙の荷役に適したアタッチメントとして、正しいものはどれか。

    1. ロールクランプ
    2. プッシュプル
    3. ロードスタビライザー
    4. ヒンジドフォーク
    答えと解説

    正解:1 ロールクランプ

    ロールクランプは、ロール紙を傷つけないようにはさみ、左右に360度回転させて縦横自在に積み付けられるアタッチメントである。ヒンジドフォークは原木などの長尺物、プッシュプルはシートパレットを使う荷、ロードスタビライザーは荷を上から押さえて荷崩れを防ぐ用途に使われる。

    根拠:コマツカスタマーサポート「アタッチメント(フォークリフト)」 ロールクランプ/トヨタL&F「フォークリフト アタッチメント」 全回転ロールクランプ

  8. 問17カウンタバランスフォークリフトで、荷を積んで走行するときのフォークとマストの状態として、正しいものはどれか。

    1. マストを前傾させ、荷の重心をできるだけ前に出す。
    2. フォークを床から15〜20センチメートル程度に下げ、マストを十分に後傾させる。
    3. 荷が見やすいように、フォークを運転者の目の高さまで上げる。
    4. フォークを床に接するまで下げ、床をすべらせながら走行する。
    答えと解説

    正解:2 フォークを床から15〜20センチメートル程度に下げ、マストを十分に後傾させる。

    カウンタバランスフォークリフトで荷を積んで移動するときは、フォークを床から15〜20センチメートルほどの低い位置にとどめ、マストを後ろへ十分に傾けた姿勢にする。荷を高く上げたまま走ると全体の重心が高くなり、マストを垂直や前傾のままにすると荷の重心が前に出て、転倒や荷の落下につながる。なお、リーチフォークリフトではリーチレッグの上面を目安にフォークを下げるので、高さの決め方が違う。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(フォークリフト) 第5章 荷役装置の運転操作 3.2 荷の積み取り操作手順⑼、3.3 荷の取りおろし操作手順⑺

  9. 問18荷役操作の用語で「後傾」の説明として、正しいものはどれか。

    1. リーチ式で、フォーク又はマストを車体側へ繰り込むこと
    2. マストを前方へ傾けること(フォークを下向きに傾けること)
    3. フォークを上方へ上げること(リフトして高くすること)
    4. マストを後方へ傾けること(フォークを上向きに傾けること)
    答えと解説

    正解:4 マストを後方へ傾けること(フォークを上向きに傾けること)

    「後傾」は、マストを運転者側(後ろ)へ傾けることで、フォークの先端は上を向く。マストを前へ傾けるのは「前傾」、フォークを持ち上げるのは「上昇」、リーチ式でマストやフォークを車体側へ引き込むのは「収縮(リーチイン)」という。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(フォークリフト) 第5章 荷役装置の運転操作 1 荷役操作に関する用語

運転に必要な力学の問題(6問)

  1. 問19力の三要素の組合せとして、正しいものはどれか。

    1. 力の向き(方向)、物体の速度、物体の重心
    2. 力の大きさ、力の向き(方向)、力の作用点
    3. 力の作用点、物体の密度、物体の形
    4. 力の大きさ、物体の質量、物体の体積
    答えと解説

    正解:2 力の大きさ、力の向き(方向)、力の作用点

    力は、大きさ・向き(方向)・作用点の3つの要素をもち、これを力の三要素という。図では、作用点から力の向きに矢印をかき、矢印の長さで力の大きさを表す。質量・体積・速度・密度は物体の性質や状態を表すもので、力の要素ではない。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(フォークリフト) 第8章 フォークリフトの運転に必要な力学に関する基礎知識 1.1 力の三要素

  2. 問20物体のすわり(倒れにくさ)についての説明として、正しいものはどれか。

    1. 底面が狭く、重心の位置が高い物ほど倒れにくい。
    2. 底面が広く、重心の位置が低い物ほど倒れにくい。
    3. 重心から下ろした鉛直線が底面から外れていても、倒れることはない。
    4. 重心の高さは、物の倒れやすさに関係しない。
    答えと解説

    正解:2 底面が広く、重心の位置が低い物ほど倒れにくい。

    物が倒れるかどうかは、重心から真下に下ろした線が底面の内側を通るかどうかで決まり、外側に外れると倒れる。真下の線が底面の中ほどを通っていても、背の高い細長い物のように重心が高いと少し傾いただけで外れやすい。底面が広く重心が低いほど安定する。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(フォークリフト) 第8章 フォークリフトの運転に必要な力学に関する基礎知識 2.2 重心(重心と安定性)

  3. 問21回転の中心から0.4メートル離れた点に、腕に対して直角に500ニュートンの力を加えた。このときの力のモーメントはいくらか。

    1. 200 N・m
    2. 900 N・m
    3. 20 N・m
    4. 1,250 N・m
    答えと解説

    正解:1 200 N・m

    力が腕に直角に働くとき、モーメント=力×腕の長さで求める。500 N × 0.4 m = 200 N・m となる。力を距離で割ったり(500÷0.4=1,250)、足したりしても、モーメントにはならない。

    根拠:計算問題(数値は問題文で与えた)

  4. 問22縦1.0メートル、横0.5メートル、厚さ0.2メートルの鋼材の質量は何キログラムか。鋼材の密度は1立方メートル当たり7.8トンとする。

    1. 7,800 kg
    2. 78 kg
    3. 1,560 kg
    4. 780 kg
    答えと解説

    正解:4 780 kg

    質量=体積×密度で求める。体積は 1.0 × 0.5 × 0.2 = 0.1 m³。質量は 0.1 m³ × 7.8 t/m³ = 0.78 t = 780 kg となる。

    根拠:計算問題(数値は問題文で与えた)

  5. 問23同じ半径のカーブを曲がるとき、速度を2倍にすると、遠心力は何倍になるか。遠心力は質量×速度×速度÷半径で求められるものとする。

    1. 4倍
    2. 変わらない
    3. 2倍
    4. 8倍
    答えと解説

    正解:1 4倍

    遠心力は速度の2乗に比例する。速度を2倍にすると 2 × 2 = 4倍になる。荷を積んだまま速い速度で旋回すると、遠心力が急に大きくなり転倒のおそれが高まる。

    根拠:厚生労働省 技能講習補助教材(フォークリフト) 第8章 フォークリフトの運転に必要な力学に関する基礎知識 3.2 遠心力と向心力(求心力)/計算問題(数値は問題文で与えた)

  6. 問24断面積400平方ミリメートルの鋼棒に、20キロニュートンの引張荷重がかかっている。鋼棒に生じる引張応力はいくらか。応力は荷重÷断面積で求めるものとする。

    1. 500 N/mm²
    2. 5 N/mm²
    3. 50 N/mm²
    4. 0.05 N/mm²
    答えと解説

    正解:3 50 N/mm²

    20 kN = 20,000 N なので、応力 = 20,000 N ÷ 400 mm² = 50 N/mm²(50 MPa)。キロニュートンをニュートンに直さずに計算すると0.05となり誤り。応力の単位はパスカル(ニュートン毎平方メートル)で、1 N/mm² は 1 MPa にあたる。

    根拠:計算問題(数値は問題文で与えた)/計量単位令 別表第一 第23号

関係法令の問題(6問)

  1. 問25最大荷重が1トン以上のフォークリフトを運転する場面のうち、施行令第20条第11号の就業制限の業務から除かれているものとして、正しいものはどれか。

    1. 一般の交通に使われない工場の構内で、荷を積まずに走行させる運転
    2. 一般の交通に使われない倉庫の中で、荷の積卸しをするために行う運転
    3. 道路交通法に定める道路の上を走行させる運転
    4. 一般の交通に使われない資材置場で、荷を運ぶために行う運転
    答えと解説

    正解:3 道路交通法に定める道路の上を走行させる運転

    施行令第20条第11号は「道路上を走行させる運転を除く」としています。ここでいう道路は道路交通法の道路(安衛則第36条第5号は同法第2条第1項第1号の道路と明記)で、私有地かどうかで機械的に決まるものではありません。道路を走るには、技能講習とは別に車両の区分に応じた運転免許などが必要になります(メーカーの公開資料も、技能講習の修了は構内作業の資格と説明しています)。一般の交通に使われない構内・倉庫・資材置場での運転は、荷の有無にかかわらず就業制限の対象です。

    根拠:労働安全衛生法施行令 第20条第11号/労働安全衛生規則 第36条第5号/トヨタL&F(豊田自動織機)「運転技能講習・特別教育」 車両区分と運転資格

  2. 問26技能講習を修了した者が、最大荷重が1トン以上のフォークリフトを運転する業務に従事するときの定めとして、正しいものはどれか。

    1. 技能講習修了証など、資格を証する書面を携帯していなければならない
    2. 技能講習修了証は、事業場の事務所で保管していればよい
    3. 技能講習修了証の写しを、運転席に掲示しておけばよい
    4. 技能講習修了証は、求められたときに後日提示すればよい
    答えと解説

    正解:1 技能講習修了証など、資格を証する書面を携帯していなければならない

    法第61条第3項は、就業制限の業務に就くことができる者は、その業務に従事するときは免許証その他その資格を証する書面を携帯していなければならないと定めています。事務所での保管、写しの掲示、後日の提示では、この定めを満たしません。

    根拠:労働安全衛生法 第61条第3項

  3. 問27フォークリフトの定期自主検査のうち、安衛則第151条の22の自主検査を行う間隔として、正しいものはどれか。

    1. 1週間を超えない期間ごとに1回
    2. 3月を超えない期間ごとに1回
    3. 1月を超えない期間ごとに1回
    4. 6月を超えない期間ごとに1回
    答えと解説

    正解:3 1月を超えない期間ごとに1回

    安衛則第151条の22第1項は、フォークリフトについて「一月を超えない期間ごとに一回」定期に、制動装置・クラッチ及び操縦装置、荷役装置及び油圧装置、ヘッドガード及びバックレストの異常の有無について自主検査を行うと定めています。

    根拠:労働安全衛生規則 第151条の22第1項

  4. 問28フォークリフトの作業開始前の点検(安衛則第151条の25)を行う時期として、正しいものはどれか。

    1. その週の最初の作業を始める前に、1回だけ
    2. 月次の自主検査を行った日を除いた、作業の日の作業の前
    3. フォークリフトを用いて作業を行う日の、その日の作業を始める前
    4. 運転者が異常を感じたときに、そのつど
    答えと解説

    正解:3 フォークリフトを用いて作業を行う日の、その日の作業を始める前

    安衛則第151条の25は、事業者はフォークリフトを用いて作業を行うときは、その日の作業を開始する前に、制動装置及び操縦装置の機能などについて点検を行わなければならないと定めています。週1回でよいとする定めや、月次の自主検査をした日は省けるという定めはありません。

    根拠:労働安全衛生規則 第151条の25

  5. 問29フォークリフトについて誘導者を置くときの合図(安衛則第151条の8)について、正しいものはどれか。

    1. 一定の合図を定め、誘導者にその合図を行わせる
    2. 合図は、誘導者がその場で考えたものでよい
    3. 運転者は、合図に従うかどうかを自分で判断してよい
    4. 誘導者を置くときでも、合図を定める必要はない
    答えと解説

    正解:1 一定の合図を定め、誘導者にその合図を行わせる

    安衛則第151条の8第1項は、誘導者を置くときは一定の合図を定め、誘導者にその合図を行わせなければならないと定め、第2項で運転者はその合図に従わなければならないとしています。

    根拠:労働安全衛生規則 第151条の8

  6. 問30フォークリフトの主たる用途以外の使用(安衛則第151条の14)について、正しいものはどれか。

    1. フォークにパレットを載せれば、労働者の昇降に使ってよい
    2. フォークにロープを掛けて荷をつり上げる使い方は、いつでも認められる
    3. 荷のつり上げや労働者の昇降など、主たる用途以外に使ってはならない(危険のおそれがないときを除く)
    4. 事業者が許可すれば、主たる用途以外の使用はいつでも認められる
    答えと解説

    正解:3 荷のつり上げや労働者の昇降など、主たる用途以外に使ってはならない(危険のおそれがないときを除く)

    安衛則第151条の14は、事業者は車両系荷役運搬機械等を荷のつり上げ、労働者の昇降等主たる用途以外の用途に使用してはならないと定め、例外は労働者に危険を及ぼすおそれのないときだけです。パレットを載せることや事業者の許可で認められるわけではありません。

    根拠:労働安全衛生規則 第151条の14

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